※2025/12/9刊内容(SANYU通信 63号 「再資源化事業等高度化法」について)となります。
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三友環境総合研究所 研究員 吉澤奈月です。
恒例のクイズです。
令和7年2月1日に一部施行となっており、11月21日に全面施行となった注目されている法律は?
①食品リサイクル法
②再資源化事業等高度化法
③鳥獣保護管理法
答えはもちろん、②の「再資源化事業等高度化法」です。
今号は、「再資源化事業等高度化法(以下『高度化法』)」の内容について御紹介をいたします。
この法律では、『脱炭素化と再生資源の質と量の確保等の資源循環の取組を一体的に促進するため、基本方針の策定、特に処分量の多い産業廃棄物処分業者の再資源化の実施の状況の報告及び公表、再資源化事業等の高度化に係る認定制度の創設等の措置を講ずる。(引用:環境省_「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律について」はこちら)』とされております。
難しい表現ですがポイントをまとめますと
『高度化法』の目的は “再資源化事業の効率化・高度化を促進、廃棄物処理の適正化と環境負荷低減(脱炭素社会の実現)、高度化計画を認定して事業者を支援” となります。
これらから認定制度が創設され、類型は以下の3種があります。
■事業形態の高度化
製造業者が必要とする質・量の再生材を確保するため、特定の廃棄物を広域的な収集、再資源化を行う事業
例:ペットボトルの水平リサイクルなど
■分離・回収技術の高度化
再資源化事業の創出が見込まれる特定の廃棄物を指定、高度な技術を用いて有用部品や再生資源の回収
例:太陽光パネルや蓄電池のリサイクル
■再資源化工程の高度化
脱炭素と資源循環を加速するため、廃棄物処理施設において排出される温室効果ガスの削減効果の高い設備更新等を促進
例:AI、Iotの活用
(参考)再資源化事業等高度化法に関する環境省HP ⇒ こちら
認定を受けるメリットとして 許可の特例、税負担の軽減、設備投資への支援、行政手続きの円滑化
といった“事業推進のための優遇措置”が受けられます。
『高度化法』によって、“廃棄物の排出側(例えば製造業様)”は以下のように変わっていくと言われています。
■再資源化しやすい“循環型デザインへの転換”
■再生材利用率が高まり、原料の調達方針が変わる
■回収・物流の仕組みを再構築する必要が出てくる
■製造業の責任範囲が拡大し、行政や事業者との連携が必須になっていく
といった 「作るだけ」ではなく「回収・再資源化まで責任を持つ企業」が求められる
また“廃棄物処理業”にとっても
■事業許可のあり方が変わる(特例・更新簡素化・広域化)
■廃棄物処理業から“資源製造業”への転換
■設備投資が加速
■ビジネスモデルが変わる(廃棄物⇒原料化⇒再生材販売(原料売却))
■行政との関係が変化(調整から共創へ)
といった「廃棄物を処理する会社」から「資源サプライヤー・循環プラットフォーム企業」が求められます。
このように“脱炭素と資源循環”をキーワードに認定制度を活かすことでビジネスモデルが変わる契機となる法律なのです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今号では、新しく施行された法律について御紹介をさせていただきました。
次回の配信以降もどうぞお楽しみに!



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