※2025/9/29刊内容(SANYU通信 62号 「PFOS・PFOA」について)となります。
お問い合わせやご注文はHP末尾”パートナー企業への相談”よりご連絡ください。

三友環境総合研究所 研究員 吉澤奈月です。
いつも SANYU 通信をお読みいただきありがとうございます!
三友環境総合研究所 研究員 吉澤です。
今号は、近年注目を集めている環境・健康問題「PFOS・PFOA」についてご紹介いたします。
聞き慣れない名前かもしれませんが、実は私たちの生活にも深く関わる物質です。
PFOS・PFOAとは?
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、撥水性・耐熱性に優れた人工化学物質で、かつてはフライパンのコーティング、消火剤、半導体製造などに広く使用されていました。
突然ですが、ここでクイズです。
PFOS・PFOAが「永遠の化学物質」と呼ばれる理由はどれでしょう?
① とても高価な物質だから
② 自然界で分解されにくく、長く残留するから
③ 一度使うと永遠に効果が続くから
正解は、「② 自然界で分解されにくく、長く残留するから」。
PFOS・PFOAは難分解性・高蓄積性・長距離移動性という性質があり、環境中に長く残留することから「永遠の化学物質」と呼ばれています。
環境への影響だけでなく、人体や生態系に蓄積されることで、肝機能障害・コレステロール値の上昇・がんや免疫系への影響も懸念されています。実際に、全国各地の水道水や地下水、農作物からPFOS・PFOAの合計が暫定目標値(50ng/L)を超過する濃度で検出される事例も報告されており社会的な関心が高まっています。
2025年6月30日にPFOS・PFOAの水質基準が新たに設定されました。(2026年4月より義務化)
自治体では、定期検査が義務化され、より安全な水環境の整備が進められています。
また、化学物質審査規制法(化審法)により、製造・輸入は原則禁止となっており、企業や自治体では代替技術の導入が進んでいます。
PFOS・PFOAの問題は、今後ますます注目されるテーマです。
皆さまの事業活動においても、環境・健康への配慮が求められる場面が増えてくるかもしれません。
SPSグループの横浜工場、千葉工場、札幌工場、大阪工場では、監督官庁から分解処理の承認を受け、2011年よりPFOS含有物の無害化処理を実施しています。また、PFOAを含む消火剤については2022年9月に技術的留意事項が改訂・施行されました。2025年2月には上記4工場にて、PFOA濃度50ppm以上の分解効率が99.999%以上と確認出来ており、環境省及び各自治体への報告を済ませ、現在も処理を実施しております。
SPSグループの処理困難物質の処理はこちら
「永遠の化学物質」についてはこちら